2005.7.10
第29回
おかげさまで、ついに終わりました!長かった…。
ドイツ語コースはとても楽しかったので、コース1終了後、コース2に進みましたが、
途中で帰国となり、クラスメイトともお別れなので残念です。
6月には師匠の誕生日パーティーがあり、みんなでせっせと寿司を握り、お腹いっぱい寿司を食べました。
ちなみに私も誕生日が近いので便乗してお祝いしていただきました。
師匠からはドイツのごつい鉋を頂きました!
中古なので、帰国後、刃口(でしたっけ?)を直すように、という宿題付きです…。
埋め木用にWengeの欠片をもらってきました。
アパートでは、同居人とも誕生日が近いので、一緒にバーベキュー&寿司パーティーを開きました。
なかなか日が沈まないので、バーベキューも遅くまで楽しめるんです。いい季節です。
研修最終日の午前、ようやく受付カウンターが完成しました。
硬くてもろいWengeには随分泣かされたけれど、Wengeのおかげでいろいろ勉強もでき、いい作品が出来たと思います。
何より、このきれいな色に助けられたと思います。
オイルを塗った瞬間、急に重量感も高級感も増しました。
午後の休憩時間には、師匠が高級和食レストランから寿司を買ってきてくれ、隣のBielitzさんとAnneも一緒にビールで乾杯しました。
帰国日、荷物の整理でバタバタして、工房でゆっくり話をする時間もなく、
あわただしくお別れをして(それでも泣きましたけど)、師匠に駅まで送ってもらい、電車に乗ってほっと一息。
そして別れ際にもらったみんなからのメッセージカードを読もうと、バッグからカードを取り出し、
ついでに、いつ泣いてもいいようにハンカチも準備しようとジーンズのポケットに手を入れ…、
あぁまたやってしまった…と気付きました。
アパートの鍵を持ってきてしまいました。
アパートの入り口、玄関、部屋、自転車の鍵、合わせて4本。
いつもの癖で、ポケットに入れたままでした…。
1年の研修スケジュール表をもう一度見てみたら、私の場合は完全にクリアできた訳ではないけれど、
工房では隣のAnneも含め、自分と違う目的で、違う作業をしている人がいるので、いろいろ勉強できました。
ちなみにShigetoさんはデザインの出身なので、すでにオリジナルのデザインで、かっこいい(Shigeto談)椅子を1脚作りました。
現在はそれに修正を加えて、より快適に座れる(だろう)2代目を製作中です。
濱ちゃんは驚異的なスピード且つ丁寧な仕事であっという間にFussbankを仕上げ、
その後ほぼ隔週で師匠とベルリンで仕事をし、合間に継ぎ手の練習をしているのですが、練習しなくても最初から上手です。
よく怒られ、勉強し、練習に励み、最後に、多くの人々の目に触れる受付カウンターを作ることができて、
光栄です。多くの人に支えられ、充実した1年を送ることができました。
ただ欲を言えば、歯科医院でなくcafeやレストランだったなら、気軽に人に紹介して、
一度行ってみて!といえるのですが、歯科医院ではそんなわけにはいかないんですよね…。
ドイツではあれほど長く感じた1年が、日本に帰ってきたら、あっという間の夢のような出来事だった気がします。
ほんの2〜3ヶ月留守にしていただけのような、単に旅行から帰ってきただけのような、不思議な感じです。
プレゼントのドイツの鉋がなかったら、本当に夢だったと思いそうです。
気が抜けたのか、達成感よりも脱力感のほうが大きいです。
今はまだ時差ぼけが抜けきらず、だらだらと過ごしていますが、来週からは就職活動をして、早く社会復帰しなくては。
目処が立ったらまたご報告します。
準備期間も合わせて1年間2ヶ月、大変お世話になりました。
今後もよろしくお願いします!
10.Jul.2005
菜の花、FKK
菜の花畑が真っ黄色になった頃、ようやく暖かくなり春なんだと感じました。
その後、真夏日のような日があり、湖で泳ぎました。
たまたま近くを通ったついでに湖に寄り、真っ裸の人たちを見て羨ましくて、水着は持っていないし、やや奇妙な格好で泳ぎました。
気持ちよかったです。もしもドイツであと一冬越したら、私も真っ裸になることでしょう。
全身で日光を浴びたい。それくらい、太陽は貴重です。
みんながベルリンに行っている間、私は工房でテーブルを作っていました。
継ぎ手は前回の練習の写真と同じタイプです。
時間がなく、写真を撮る余裕がなかったので、現場の濱ちゃんが撮った写真をもらいました。
キャスター付のテーブルは、普段はこのように廊下の一角に納まっています。
待合室のテーブルのガラスの下には砂が入っています。もちろん師匠のデザインです。
受付カウンター。(カメラのレンズが汚れていて、ほこりが写っていたので、一箇所修正しました。わかります?)
Abschluss Stuckです。
パソコンを置くので、キーボード用の引き出しや物を入れるスペースが必要で、
そのため私にはデザインを考えるのは難しく、時間も無いので、今まで同様、最後の最後まで、デザインは師匠です。
継ぎ手の写真も撮りました。(まだオイルを塗る前です。)
これは、最後に習得した継ぎ手です。初めて見たときには、どうやって組むのかさえも分かりませんでした。
床の間も病室も、1が下見、
2が途中段階、
3が完成です。
(病室は3室あり、違う部屋で撮ったので、左右逆のように見えるかもしれません。)
写真の1、2を撮った頃は私も現場に行ったのですが、そのあとはずっと工房でテーブルを作っていて、
作業手順や完成を見れなかったのがとても残念です。
ジュラクサンドを塗るところを見たかったし、好奇心で、塗ってみたかったんです。
床柱は、ドイツでは手に入りにくく、師匠が知り合いの森で切ったものです。
病室の柱は、実は1枚15mm程度(もう忘れてしまいました)の厚さです。
この板を準備するのは大変でした。Wengeの乾燥状態が悪かったらしく、かなり反っていて、
厚さに余裕もなかったので、手押し鉋(ですよね?)でまず一面を平らにするのが一苦労でした。
油断すると斜めに削れて、片側が薄くなってしまいがちだったので。
大きなドイツの鉋を使ったときのバランスで押せばいい、と教えられ、それをイメージして削ってみたら、うまくいきました。
こんなところで、あの頃の練習が役に立つとは。
柱にはこの板を1枚で使ったり、3枚を組み合わせたりして使っています。(意味がわかりにくいですね)
師匠の友達の庭師の方が、箱庭を3箇所作り、
治療に関係のない場所のほとんど(待合室、受付、ミーティングルーム、廊下など)が和風モダンに仕上がっています。
来週、完成予定のようです。パーティーもあるらしく、羨ましい限りです…。
他の写真はまた後日。
(管理人より:SAKURAIさんは2005年7月に1年間の研修を終えて無事帰国されました。
本当にお疲れ様でした。
これからもドイツでの話、木工修行の話など聞かせていただけたらと思っています。
どうぞよろしくお願いします!)
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