ビザについていくつか質問が寄せられたので、
を加筆しました。
A1.寄宿舎代は研修費用に含まれているので、食費について言えば
最低100ユーロから可能だということです。(柳沢君の話によれば。)
パンとビールはとても安くて美味しいとのことで、贅沢しなければ2万円以内でおさまるそうです。
ただしタバコはかなり高価だそうで、喫煙者の方には禁煙をお勧めします。
New!(2005.4.5 管理人三木が訪問した際に研修生のShigetoさんの話を聞いてきました。
彼によれば月100ユーロは可能かもしれないが、病気になりかねない、150〜200ユーロ程度必要ではないかとのことです。)
A2.まず、標準的なドイツの職業訓練のあり方について説明します。
自分で開業したり、弟子を取ったり出来るのはマイスター(親方)の資格をもつ者だけです。
マイスターは実務経験を積み、マイスター学校を卒業することで受験資格を得て、
試験に合格してはじめて資格をとることが出来ます。
そのマイスターの工房で給料をもらって働いているのが職人(ゲゼーレ)という資格をもつ人で、
3年間マイスターの工房で見習として修行し、平行して職業訓練学校に通い、試験に合格することで資格をとることが出来ます。
さて、これらの資格をあなたが取得することが出来るでしょうか?
答えは「非常に難しいが、まったく不可能というわけではない。」です。
昨今のドイツでは失業率が高く、また、外国人の不法就労も多く、社会問題になっています。
そして、木工、家具職人の修行ということには「勉強」という面と、「職業訓練」という二つの意味合いがあります。
もしあなたがドイツ人でなかったらドイツで働くことを前提とした職業訓練を受けて
各種の資格を取得することはとても難しいといわざるを得ません。
ただし、何らかの方法で(例えばドイツ人と結婚するとか・・・)正規の在留資格を得てドイツで働くことが出来るようになれば、
ゲルステンベルガー氏の工房に見習として入ることはマイスター資格への道のりの第一歩になります。
そして仮にあなたがドイツ人だったとしても、マイスターへの道のりは長く険しいものだと思ってください。
ゲルステンベルガー氏はマイスター取得までに9年間を要したといいます。
A3.研修計画をご覧ください。
A4.基本的には月曜から金曜の午前8時30分から午後6時までです。
11時と3時くらいに休憩があります。
ただし研修内容や工房としての業務の都合によってずれることもあります。
A5.ゲルステンベルガー氏は日本に合計1年半ほど滞在し、その間大工の棟梁の下で修行をした経験があります。
私(三木)も会うたびに上達していく彼の日本語の力に驚かされます。
ですから木工や家具のことについてのコミュニケーションは日本語で一通りは通じると思います。
しかし、より深い内容や豊かな知識を得るためにはドイツ語も必要になってくると思います。
せっかくドイツで木工の修行を体験をするのなら、ドイツ語も勉強してみてはいかがでしょうか?
また、ゲルステンベルガー氏は英語にも堪能なので、英語が出来ればほとんどのことはこなせます。
しかし・・一歩工房の外に出れば、英語がどこでも通用するとは限りません。
街中では簡単なドイツ語の日常会話は必須です。
また、ほかの親方の工房や訓練学校に行くことになったらドイツ語は必須です。
A6.もしもあなたが正規の在留資格がとれるのならば就職先の紹介なども可能ですが、
不法就労となるような斡旋は出来ません。
A7.はい、できます。放課後は工房を使うことも可能です。
課題について相談しながら決めていけば、効率よく研修および作品の制作が出来ると思います。
A8.日本人が日本で木工や家具の勉強をすることも可能だし、そのほうが容易なのかもしれません。
また、大工道具やさまざまな技術について、私(三木)は日本とドイツとどちらが勝っているとも思いません。
日本人でもドイツ人でも優れた職人ならばどんなものでも作ることが出来ると思います。
そして優れた職人は自分の物の見方や方法論に固執することなく、さまざまな方法を取り入れ、
また、それが誰のものであれ、「良いものは良い」と評価できるものです。
だからこそゲルステンベルガー氏はマイスターの資格を取得した後も
日本の大工に弟子入りして修行を続けたのだと思います。
一つの事についてもいろいろな見方があるということを知り、
良いものは分けへだてなく吸収していけるようになるための素地を作る。
今までと違った環境で勉強するメリットはそういうところにあるのではないでしょうか。
それは必ず研修修了者の自信につながっていくと思います。
A9.これは答えにくい質問ですね。
まったくもって本人次第ですから。
ドイツのマイスター試験は生涯に一度だけしか受験できないといいます。
それに落ちた人はもう一生マイスターになることが出来ないということです。
また、ドイツの自動車運転免許は3回までしか受験できないそうです。
厳しいようですが、適性のないものに資格を与えないほうが、
社会のためにも本人のためにも幸せであるということでしょうか。
あなたに木工家や家具職人としての適正があるかどうか、私にはわかりません。
もし適性がなければ、この木工の研修を受けても無駄に終わるかもしれません。
ただ、言葉も習慣も違う、不自由な環境でひとつのことを頑張り通すという体験は、
仮にあなたが木工家にならなかったとしても人生における貴重な体験となるのではないでしょうか?
そしてこの研修を修了して日本に帰ったとき、あなたがまわりを見る視点も、
まわりがあなたを見る目も違ってきていると思います。
A10.はい、今のところ4月スタートとか10月スタートということはなく、
フレキシブルに対応できるとのことです。
ただし、今のところ同時に研修を受けられるのは3名までとしていますので
それを超えてしまう場合はお待ちいただくことがあります。
現状では
・2007年5月から開始可能です。(2006年9月現在)
A11.カリキュラムにしたがって研修を進めていくので、途中で中断したり、また再開したりすることも可能です。
3ヶ月、6ヶ月という研修も可能です。
1年のカリキュラムを終了した後は、研究科にてさらに高度な研修を受けることも出来ます。
2週間の体験コースについて
ドイツでは見習が親方に入門するときに数日間から2週間ほどの職場体験をしてから決めることが多いそうです。
ドイツ木工研修留学にもそのような体験コースがあります。
もちろん内容的には「さわり」といった程度ですが、まったくの初心者でも気軽に研修留学体験ができることが特徴です。
ドイツの職人気質にふれてみたい、将来長期のコースに参加したいが、いきなりはちょっと不安だという方
社会人や年配の方で一定期間異国で暮らし、違った文化に触れることでリフレッシュしたいという方など、
様々な理由で研修に参加しようという方におすすめします。
2週間の体験コースの料金は300ユーロで、部屋代食費などは別途になります。
詳しくはメールでお問い合わせください。
A12.3ヶ月以内の研修(滞在)には必要ありませんが、それを超える場合、ビザが必要になります。
ドイツ大使館のHPでは必要な書類等をそろえて、ドイツ入国後に現地の外国人局にて申請することを推奨しています。
時間に余裕があれば日本でビザを取得することも可能です。
ただしワーキングホリデーのビザを取得する場合は日本で取得する必要があります。
手続き等に関しましては出来る限り御相談にのります。