2004.11.25
第18回
SAKURAIさんからおくられてくるメールから研修の様子をお伝えします。
私の食欲は止まるところを知らず、近頃、作業服が小さく感じるようになりました。
でも、きっとこれくらい脂肪をつけないとドイツの厳しい冬は乗り越えられないはず…。
今月9日に初雪。とにかく寒いです。
工房のトイレは一応同じ建物の中にありますが、一旦外に出て別の入り口から入るので、トイレへの往復が寒くてたまりません。
でも、寒ければ寒いなりに楽しみもあって、街ではグリューワインを売る店が増えてきました。
甘くてシナモン等の香辛料のきいた温かい赤ワインです。
おいしいし体が温まるし、はまりそうです。
現在進行中の作業は、begehbarer Kleiderschrank(Walk-in-closet)の仕事です。
合板の端を凹状に欠き、凸状にカットしたオークを貼り付け、余分なオークをルーターで削り、
合板を寸法通りにカットし、オークをかんなとサンドペーパーで仕上げ、組み立て、最後にオークにオイルを塗って完成です。
コツをつかんだのか、手の皮が厚くなったのか、もう、合板で手を切ることはなくなりました。
大きなものなので先週半分納品し、あとの半分を製作中です。
おかげさまで工房でインターネットができるようになりました。
システムなど、詳しい説明は千葉君かShigetoさんにおまかせします。
土曜日にマイスター学校に連れて行ってもらいました。
師匠が講師を勤める授業のみ、受講しても良いと、特別に許可が下りました。
せっかくの貴重な経験ですが、すべてドイツ語なのでちんぷんかんぷん。
理解できたのは、図解だけです...。
(余談ですが、ドイツ語といえば、9月半ば、夜間のドイツ語講習を調べ、申し込みに行きました。
が、初級クラスはすでにスタートしているうえに定員オーバー。
中級クラスや、午前のコースなら空きもあるし初回から参加できるということでしたが、
工房を毎日のように午前中休むのでは本末転倒。
私のレベルでは初級しか考えられず、あきらめました。
師匠も他の夜間の語学講座を探してくれましたが、今はどこも定員オーバーのようです。
次期のパンフレットがまだできていないので、残念ながらドイツ語講習を受けるめどは立っていません。
仮に受講できたとしても、ドイツ語を理解できるかどうかは怪しいんですけどね。)
ドイツでは学生・見習い・職業訓練生・研修生などは皆、学割がききます。
今まで、勉強している人を表す単語は、Studentin、Lehrling、Azubi(Auszubildende)くらいしか知らなくて、
私の場合は特にそういう証明書をもっているわけではないし、一般料金を払うしかないと思っていました。
(学生の千葉君と一緒にでかければ、ちゃっかり便乗して学生料金にしてもらうのですが...)
でも、私のドイツ滞在のビザには「Praktikum(実習)」と明記されているので、どうにかならないかと辞書を調べていたら、
Praktikantin(実習生)という言葉をみつけました。
美術館でチケットを買うときに試しに、私は実習生です、といってみると、簡単に学生料金にしてもらえました。
別の美術館でも同様でした。
節約生活に拍車がかかりそうです。
かの有名なMeissenに行ってきました。
Leipzigから電車で100分ですが、都合により、途中でバスに乗り換えました。
バスはドイツに来て初めてです。
ドイツではあらかじめチケットを購入してから乗車するシステムだと思うのですが、
チケットの買い方がわからず、「チケットを持っていません」と一応ことわってから乗り、
しかも見知らぬ街から見知らぬ街への移動で不安だったので、行き先も告げて、運転席のすぐ後ろに座りました。
バスがどの辺りを走っているのかわからないまま、いつしか乗客は私一人になり、
バスは駐車場に入り、エンジンも止まり、運転手さんは休憩を始めてしまいました。
一体いつ出発するのだろうと思い、声をかけると、運転手さんはとても驚いていました。
私の存在をすっかり忘れていたようです。
運転席の後ろは死角なんでしょうか?
アナウンスが理解できず気付かなかったのですが、すでに終点。
回送車になっていました。
降りるときも料金を払わなくて、不思議なバス体験でした。
(管理人註:第6回レポートに登場したW君から久しぶりのメールがあり、SAKURAIさんにも近況を伝えました。
彼は過酷な旅のため体調を崩していましたが、ビザの都合でオーストリアに出国、
3ヶ月間ウィーンに滞在して小澤征爾の指揮を見たと書いていました。)
Wさん情報をありがとうございます。
すごいですね。感動です。
早いもので、あれからもう3ヶ月経つんですね。
小澤征爾の指揮を見たとか、ドイツで働けそうだとか、
私の予想をはるかに超えた充実ぶりで、あっぱれです。
今回は写真がないので説明がいっそうわかりにくいかもしれませんね。
それでは。
(管理人より:ネット開通おめでとうございます!便利になった環境でまた写真を送っていただけることを期待しています。)
(管理人:HP更新翌日に鉋の写真とコメントが送られてきました。
追加します。)
最近気に入った道具を紹介します。
イギリスの鉋です。
ドイツの鉋と同様に、押して使います。
けっこう重いです。
硬い木に適しているそうです。
日本の鉋では刃先を平行に出すのが苦手ですが、イギリスの鉋は刃の出の調整がしやすいです。
丸いつまみを回すと、刃が前後に動き(刃先がでたりひっこんだり)、細いつまみを左右に動かすと、
刃も左右に傾きます(鉋台下端との平行の調整に使います)。
今回のオークは、仕上げにこの鉋を使いました。
25.Nov.04
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